人間関係のストレスをマネジメントしていますか?

質問54:

人間関係のストレスをマネジメントしていますか?


解説:

日常の仕事で感じるストレスは、業務に関することばかりではありません。おそらくそれ以上にやっかいなのが、人間関係のストレスです。チーム内の誰かの存在が気に入らない、ということはよくあります。どうも馬が合わないとか、バカにしているとか、言い方がキツいとか、事情はそれぞれでしょう。

上司として、これを看過してはいけません。関係が修復されればそれに越したことはありませんが、そう簡単にはいかないのが世の中です。そこで重要なのは、根本治療より対症療法を心がけることです。

職場で日々観察していれば、メンバー間の関係性はある程度わかるはずです。そこで、全員について一対一の相関図を描いてみると、素直に直線を引けるところがある一方、線の途中に「×」をつけたくなるところもあります。まずは、その全体像を掴むことです。その上で、関係の悪い人同士の席を離し、仕事で組ませないようにします。単純な方法ですが、とにかく心理的にも物理的にも距離を離すのです。

ただし、人間関係の悪さをお互いに表に出さない場合もあります。

これについても、やはり全員に対する面談で把握していくことが大切でしょう。週に一度程度の割合で、仕事の状況に加えて職場の人間関係についても聞きとっていくようにします。「誰かからプレッシャーを感じることはある?」「人間関係で疲れることはある?」ぐらいの聞き方なら答えやすいと思います。一人あたり10分から15分もかければ十分でしょう。

それでも最初は話そうとはしないかもしれません。だからこそ、毎週行うことに意義があります。こういう機会を設けるのはサービスや福利厚生ではなく、業務の一環であるという意識を植え付けるようにします。

そこで聞いたことを踏まえて、仕事の割り振り等をできる範囲で調整します。相談したことが業務に反映されれば、部下も「話して良かった」と思えるでしょう。ストレスも軽減されるはずです。

言い換えるなら、「相談しやすい人間になる」ことがリーダーに必須の資質ということです。これは、リーダーの大きな役割である「部下を評価」することとは一線を画す必要があります。その場で説教や断罪もするべきではありません。いくらメンタルの弱さを責めたところで、改善するものでもありません。まずは、根気よく状況を聞き出していくことが第一です。

参考図書:学習する組織(ピーター・M・センゲ)、人はチームで磨かれる(齋藤孝)


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