三越伊勢丹が不用品買取サービス?

シャイさんの1分間シャイ脳開発マーケティング小話


★三越伊勢丹が不要品買取りサービスを開始

百貨店の不要品買い取りサービスって珍しいですよね。
その名も「アイムグリーン」です。

https://www.isetan.mistore.jp/common/service/imgreen.html

「不要品買い取り!」というと百貨店のイメージに合わないので、「アイムグリーン」というSDGs的なネーミングでオブラートに包んだ、という感じでしょうか。伊勢丹新宿店という旗艦店の本館にオープン、とかなりの本気度が伺えます。

★百貨店の顧客と「不用品買い取りサービス」

「不要品買い取りサービス」ですが、世の中にはたくさんあります。洋服や本の買い取りはもちろん、最近だとメルカリやヤフオクなどのネット系のサービスも広く浸透しています。

しかし、「中高年の女性の間ではプライバシーをよく分からない会社に知られたくないと警戒心が強く、フリマアプリやオンラインサービスには抵抗感がある」という問題がありました。

百貨店のお客様は、メルカリやヤフオクはあまり使わない、ということですね。

1つには、ネットで知らない人に売る、ということへの抵抗感がありそうです。それに、手間などが面倒、という理由もありそうです。メルカリやヤフオクに張り付いて千円でも高く売ろう、というようなニーズはあまりないのでしょうね。

しかし、不要品買い取りのニーズがないわけではありません。富裕層であれば、むしろそのニーズは高いように思います。百貨店が買い取りサービスをやってくれるのであれば悪いようにはしないでしょうから、安心して任せられるということですね。

では次に、百貨店の雄である三越伊勢丹がなぜこのような「不要品買い取りサービス」をわざわざ始めたのか、経営コンサルタント佐藤義典先生のプロダクトフローを使って考えていきます。

★プロダクトフロー

プロダクトフローとは、お客様を「売りたい商品」へと誘う「商品の流れ」のことです。
商品には、3段階の商品があります。

1)あげる商品

2)売れる商品

3)売りたい商品

です。

お客様は、いきなり高額な商品を買ってはくれません。まずは敷居の低い、買いやすい商品から入ってもらい、徐々になじんでいってもらおうという流れ(フロー)です。

○あげる商品=販促物
あげる商品は、試供品・おためし商品など、手にとっていただいたり試していただいたりする商品です。ガムで言えば試供品です。

○売れる商品=売れるけどあまり儲からない商品
売れる商品は、通常は低価格で買いやすい商品です。ガムで言えば、1パック120円の商品です。

○売りたい商品=あまり売れないけど儲かる商品
売りたい商品は、高価格、高利益率など買いにくいけれども儲かる商品です。ガムで言えば、5パックのセットでしょう。

★「あげる商品」としての「アイムグリーン」

不要品買い取りサービス「アイムグリーン」は、プロダクトフローで言うところの「あげる商品」だと考えられます。このサービスが儲かるかというと、難しいところです。

まず「場所代」と「百貨店のスタッフ」というコストがかかります。これがネット系のサービスと大きく違うところです。そして、大きく儲けようとすると、買い取り価格を下げることになります。

それでは既存のお客様の不満を招きかねません。本末転倒になりかねません。すると買い取り価格を大きくは下げにくくなります。つまり、あまり儲からないサービスだと言えそうです。

だから「あげる商品」なのではないか、ということです。ある意味で「顧客接点を増やす」ための「販促」的な位置付けだと考えられるわけです。

★「売れる商品」:片付けからの「新規購入」

日本橋三越本店でのテストマーケティングの結果、「利用者の9割がその日のうちに日本橋三越本店で買い物」をするということが分かっていました。

例えば不要な洋服を売ると、洋服ダンスやクローゼットが空きます。そこで「じゃあ新しいのを買おうか」となるのでしょうね。

現在のところ、HPでは「来店予約」という項目があります。お店に持っていく必要があるわけです。そして、すぐに現金を渡してもらえます。となると、何かを買いたくなりますね。来店をしてもらうのは、やはり、お店での購入を促進するという狙いもありそうです。

「アイムグリーン」はある意味で「洋服ダンスを空にして、新たな購買意欲を喚起する」という役割を果たすのでしょう。

★「売りたい商品」:「信頼感」に基づく将来の需要

ここまで「あげる商品」「売れる商品」と見てきて、では「売りたい商品」は何でしょうか?

不要品を買い取ることで、

・お客様との接点が増える

・お客様のライフスタイルがわかる

などの効果があります。結果として、信頼関係を築けます。お客様の生活全てに関わっていき、それを売上に変えたい、というのが本当の狙い、と言えそうです。

その結果、LTVも当然上がることになりますね!

プロダクトフローを使って商品の流れを考えてみませんか?是非お考えください。

シャイさん拝

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