前年度比33%増となった精神障害にかかる労災請求件数

厚生労働省は先日、令和5年度「過労死等の労災補償状況」を公表しました。

(1)脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
請求件数は1,023件で、前年度比220件の増加(+27%)。うち死亡件数は前年度比29件増の247件。
支給決定件数は216件で前年度比22件の増加(+11%)。うち死亡件数は前年度比4件増の58件。

(2)精神障害に関する事案の労災補償状況
請求件数は3,575件で前年度比892件の増加(+33%)。うち未遂を含む自殺の件数は前年度比29件増の212件。
支給決定件数は883件で前年度比173件の増加(+24%)。うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件増の79件。

このように脳・心臓疾患、精神障害ともに前年比で請求件数、支給決定件数ともに増加しています。

中でも、精神障害にかかる労災請求件数は毎年、徐々に増加をしてきましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、大幅に増加しており、コロナが問題となった令和2年度(2020年度)の請求件数2,051件と比較すると3年で74%も増加しています。今回の資料からは新型コロナウイルスの感染拡大との因果関係は分かりませんが、コロナによる生活環境や意識の変化などが何等か影響している可能性が高いのかも知れません。

改めて職場におけるメンタルヘルスケアの充実が望まれます。


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