25卒学生の企業選択のポイント「安定している会社」が初の5割超え

マイナビの2026年卒大学生就職意識調査が公開されました。同調査は、学生の就職意識や就職活動全体の動向を把握することを目的に、毎年実施されているものです。

学生が企業を選ぶ上で「安定している会社」を最も重視する傾向が強まっています(51.9%)。この数字は7年連続で上昇しており、1979年卒の初回調査以降、今回初めて5割を超えたということです。また、「給料が良い」という項目も4年連続で増加(25.2%)しており、物価高の影響から、より現実的な条件を求める学生が増えていると考えられます。

一方で、学生が避けたい企業としては「ノルマのきつそうな会社」(38.2%)が依然として上位にあり、「転勤が多い会社」(31.0%)も5年連続で増加傾向です。さらに、「個人の生活と仕事を両立させたい」という志向も強まっており、企業規模を問わず、働き方の柔軟性やワークライフバランスへの配慮が無視できない要素となっています。

全体的な調査結果は参考リンクよりご覧いただけますが、今回の記事では、特に中小企業の採用戦略においてポイントとなる箇所に注目して結果を見ていきたいと思います。

(1)中小企業志向の増加
学生の大手企業志向が微減する一方で、中堅・中小企業志向(「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい」と「中堅・中小企業がよい」の合計)は43.0%となり、わずかながら増加しています。

特に「中堅・中小企業がよい」と回答した学生の割合が大きく増加(前年比1.9%増)しており、この点についてマイナビは「これまで上場企業・大手企業による初任給引き上げが社会的に注目を集めていたが、非上場企業や中小企業でも初任給引き上げの動きが活発化し、給与等の待遇面の条件が見直されたことが、中小・中堅企業志向の学生が増えた背景の1つと考えられる。」としています。

(2)共働き志向と転勤への抵抗
結婚後の仕事について「共働きが望ましい」と考える学生は72.1%に達しており、男女ともにその傾向が強くなってきています。「転勤が多い会社」への抵抗感の増加は、共働き志向が大きな背景になっていると考えられます。

採用難が今後も続いていくことが予想されていますが、そのような中で、企業側は規模の大小を問わず、学生が求める価値観に寄り添った情報発信と、魅力的な働く環境づくりが不可欠になっていきそうです。例えば、初任給の引き上げを実施している場合は、積極的にアピールすることが有効です。フルリモートワークやフレックスタイム制の導入が難しい場合でも、時短勤務や育児休業制度の充実、有給取得の推奨など、可能な範囲でワークライフバランスに配慮した制度を整えることが重要です。地域に根差した企業であれば、転勤が少ない、もしくは無い点を明確に伝えることも有効です。

今回の調査結果などを参考にしながら、自社の強みを再認識し、効果的な採用戦略を検討していけるとよいでしょう。


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