40%の企業でハラスメントが「問題になったことがある」と回答

ハラスメントは現在の労働トラブルの中でも最大のものとなっています。多くの企業ではその防止措置も講じられていますが、その状況はどうなっているのでしょうか。

今回は、東京都産業労働局が公表した「令和4年度 職場のハラスメント防止への取組等 企業における男女雇用管理に関する調査」の中から、ハラスメントの状況について見てみることにしましょう。

(1)過去5年間に何らかのハラスメントが問題になったことがあるか
40.0% 問題になったことがある
11.1% 問題になったことはないが実態としてはある
47.6% 問題になったことも実態としてもない

なお、規模別にみると、規模が大きいほど「問題になったことがある」割合が高い傾向が見られます。これは一定確率で問題が発生するとすれば従業員数が多い企業の方が率が高くなるのは当然であること、相談窓口の設置など各種対策を進めている方が問題として把握されやすくなることも影響していると考えられます。ただ、ハラスメントの実態はもっと深刻なのではないかという印象も受ける結果となっています。

30~99人 24.0%
100~299人 36.8%
300~499人 47.1%
500~999人 56.6%
1,000人以上 54.8%

(2)ハラスメント防止策の実施状況
労働施策総合推進法の改正等により、企業にはハラスメント防止策の実施が求められていますが、各種制度の実施状況は以下のようになっています(「実施している」の回答率)。

89.4% 就業規則等にハラスメント禁止を明記
86.3% 事業所内外に相談窓口・担当者、苦情処理機関等を設置
70.9% ハラスメントに関する研修・講習等の実施
65.6% ポスター、リーフレット、手引き等防止のための啓発資料を配布又は掲示
46.6% 適切な業務分担の見直した代替要員の補充、業務の効率化のための業務点検を実施
40.5% 業務把握のためのアンケートや調査を実施

ハラスメント防止策に関しては以上のように多くの企業において積極的に行われていることが分かります。ハラスメントは職場の雰囲気を低下させ、また従業員の定着率も悪化させることになる大きな課題です。更には被害者の人生を変えてしまうことさえあり得ます。引き続き、積極的な対応を行い、ハラスメントのない職場づくりを進めましょう。


採用から定着まで社長と従業員をつなぐ斉藤社労士事務所

ミッション

関連記事