高まる早期離職率

厚生労働省が公表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が37.0%(前年度と比較して1.1ポイント上昇)、新規大学卒就職者が32.3%(同0.8ポイント上昇)となりました。

新規学卒就職者(令和2年3月卒業者)の就職後3年以内離職率の内訳は以下のようになっています。

【 中学 】 52.9%(▲4.9P)
【 高校 】 37.0%(+1.1P)
【 短大等 】 42.6%(+0.7P)
【 大学 】 32.3%(+0.8P)

「新規大学卒就職者の3割が離職」という傾向は今年の調査でも変わらず、また直近では、僅かずつではありますが数字が上昇傾向に転じています。事業所規模別で見ても、1,000人以上企業においても、前年を上回っている状況となっており、今後の動向が気になるところです。

先般公開された厚生労働省「令和5年版 労働経済の分析」でも指摘されていますが、人手不足感は感染拡大前の水準まで戻りつつあり、特に中小企業において人手不足感がより強い傾向が見られています。

こうした状況下で、コストをかけて採用した人材が流出してしまうことは大きな痛手となります。特に離職率増加の傾向が見られている企業においては、できるだけ早く自社の労働環境や制度をはじめとした従業員流出の原因や課題を探り、対策を打っていく必要があるでしょう。


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