新卒採用におけるインターンシップの重要性

企業の採用熱の高まり、少子化による学生数の減少により、新卒採用で苦戦する企業が多くなっています。マイナビの「2024年卒企業新卒採用活動調査」の結果を見てみます。

企業の2024年卒採用について、6月時点の採用充足率が「5割以上」の企業は前年比△4.8ptの39.5%で、新型コロナウイルスの影響が大きかった2021年卒の40.9%を下回った。

インターンシップの実施有無別に見ると、インターンシップを実施した企業で採用充足率が「5割以上」は50.1%であったのに対し、実施しなかった企業では「0割」、つまり採用数ゼロが53.5%となっています。

近年は学生のエントリー数の絞り込みが進んでおり、まずはエントリーしてもらうことが重要ですが、そのためには就職活動の準備期間にインターンシップにより学生と接点を持つことがかなり重要であることが分かります。

採用業務に従事できる人員が限られる中小企業にとっては極めて厳しい状況となっています。

一方、学部卒生の総合職採用で初任給の引き上げを行った企業は70.0%、引き上げ額については以下のような分布となっています。

5,000円未満 29.3%
5,000円~10,000円未満 36.0%
10,000円~20,000円未満 24.7%
20,000円~30,000円未満 7.8%
30,000円~40,000円未満 1.5%
40,000円~50,000円未満 0.4%
50,000円以上 0.3%

初任給引き上げの理由としては、「給与制度の見直しで全社員の給与を引き上げたため」が53.0%と最多でしたが、次いで「求職者へのアピールのため(48.8%)」、「他企業が引き上げをしているため(48.8%)」となっています。

一方、「定着を高める・離職を防ぐため」という回答も35.5%、中でも上場企業では44.1%となっており、転職市場の活況が賃金水準にも影響を与えていることが見えてきます。

大手の採用意欲も高いことから、大手と中小の格差はこれから更に拡大していくことになるのでしょう。採用手法の見直し共に、そもそもの人材戦略の再構築が不可欠な時代となっています。


▼採用と定着のパートナー!
▼私が社労士であるワケ!
https://saitoh-jimusyo.com/profile/

関連記事