在宅勤務でパフォーマンスが向上した?世代間に認識の差

新型コロナの感染拡大で広まった在宅勤務ですが、導入から概ね2年が経過しました。当初、十分な準備がないままに在宅勤務が導入されたことで、生産性低下などの問題が噴出しましたが、当時からは状況も大きく変わってきているようです。

パソナ総合研究所の「第2回 コロナ後の働き方に関する調査」から、在宅勤務によるチームのパフォーマンスの変化について見てみることにします。なお、本調査は、2020年12月1日に発表された第1回調査との比較が行われています。

部下の評定・人事評価を行っている者を対象に実施された「出社勤務時と比べて在宅勤務によるチームのパフォーマンスに変化はあったと感じますか」という質問に対し、「大きく向上した」と「やや向上した」という回答の合計は、前回の23.5%から32.9%に増加しており、各企業で様々な改善が行われ、従業員も在宅での仕事に慣れてきたことが伺われます。

そして今回注目したいのが、年代による差です。以下のように年代によってかなりの認識の差があり、20代では70.2%が在宅勤務によるチームのパフォーマンスが向上したと回答しているのに対し、経営者や管理者が多く存在する50代では15.0%、60代でも17.6%と低い回答になっています。

20-29歳 向上70.2% 低下9.6%
30-39歳 向上40.7% 低下24.1%
40-49歳 向上23.4% 低下36.9%
50-59歳 向上15.0% 低下37.7%
60歳以上 向上17.6% 低下37.1%

この結果からは、50代以上の経営者や管理者は在宅勤務をパフォーマンスを低下させると考え、その結果として、在宅勤務の縮小に動く傾向が強くなることが予想されます。

しかし、20代などの若手従業員の認識はまったく逆ですので、その方針に失望し、より柔軟な働き方を認めてくれる企業への転職等を考えるという悪循環が生まれるのではないかと懸念します。

世代間においてこうした認識の差ができていることを認識した上で、今後、どのような働き方を選択していくべきか、十分な議論が必要な時期になっています。


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斎藤社労士事務所 代表
人事労務コンサルタント・社労士 齋藤公博

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