アメリカ型の合理主義を追求しすぎていませんか?

質問47:

アメリカ型の合理主義を追求しすぎていませんか?


解説:

かつて高度経済成長を続けていた昭和30~40年代の日本は、個人の能力差について比較的寛容な社会でした。いわゆる終身雇用と年功序列によって、誰でも相応の暮らしが保証されていいました。おかげで安心して家族を持ち、それによって幸福感も得ることができていたのです。一人ひとりの能力の差をあえてあいまいにして、いい結果が出れば会社全体で喜び合うような共同体でした。

またこのことは、職場にも家族的な温かさを生んでいました。P・ドラッカーは「これこそが日本企業の強みである」と指摘しています。さまざまな議論はあるものの、業績面でもメンタル面でも、当時は終身雇用と年功序列が確実に機能していました。

ところが、私たちはいつしかそれらを振り捨て、実力評価主義や年俸制といったものを取り入れました。これは社員を切り捨て可能な部品のように捉えるもので、一見すると経営者側にとって都合のいい制度でした。だたし、アメリカ企業のように合理主義的な経営を徹底できたわけではありません。

一方、当然の帰結として、この変化は社員による愛社精神を希薄化させました。何よりも自分のキャリアを優先して考えるようになったのです。自分や家族の幸福感を第一とすれば、これはきわめて合理的な判断です。

結局、日本的経営の良さを失い、かといってアメリカ的にもシフトしきれず、宙ぶらりんな状態が続きました。それが“失われた”と称されるここ25年の空気感であり、その歪みを端的に表しているのがメンタル面の不調を訴える人の多さではないでしょうか。

競争には「いい競争」と「悪い競争」があると思います。もう一度、競争というものを考え直す時期に来ているのだと思います。

参考図書:学習する組織(ピーター・M・センゲ)、人はチームで磨かれる(齋藤孝)


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